MFTとは

MFTの目的

口のまわりの筋肉が弱くバランスが悪いと、舌で前歯が押され、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)あるいは反対咬合(受け口)といった不正咬合を引き起こすことがあります。
また、このような舌の癖があると、矯正治療が順調に進まなかったり、矯正治療後に後戻りすることがあります。

矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで不正咬合がある程度改善することもありますし、矯正治療が成功するために筋機能療法の併用が必要な場合も多いのです。

また、歯ぐきや歯を支える骨が弱ったとき舌の癖があると歯並びが崩れたり、逆に舌の癖によって歯ぐきや歯を支える骨が弱る可能性もあります。

MFTに用いられる教本と器具の一部です
MFTの練習風景です

舌癖とは

日頃、無心になって本を読んだり、テレビを見ているときに口をポカーンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたり、飲みこむときに舌をつき出し、歯を押すような癖を舌癖といいます。

私たちは無意識に1日600~2000回飲みこむ動作(嚥下えんげ)をしていますが、歯ならびに悪い影響を与えない正しい飲みこみ方は、くちびるを閉じて舌をうわあごにつけ、奥歯をかみしめ、のどを使って飲みこみます。

舌癖のある人は、いつも舌が口の中の下の方や前の方にあり、歯を押しています。そして飲みこむときには、さらに押し出す強い力が歯に加わります。
舌癖のある人はいつも口を開けているため、舌が内側から歯を押す力に対して、外側から押さえるくちびるやほほの筋肉に力がありません。
舌癖が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が開いたり、上下の歯がかみ合わない歯ならびになることがあります。
また、話そうとするときにその隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌たらずな発音になることもあります。

MFT前の写真

奥歯は、しっかり咬んでいるのに
歯の間から舌を出す癖(弄舌癖)があるため
前歯は上と下の歯が合わさりません。
そのため、前歯でうどんを噛み切ることができません。

MFT後の写真

歯の間から舌を出す癖(弄舌癖)がなくなっており、
前歯の咬み合わせがよくなっています。